第一章『倒壊の日常な平凡』  一日目

昭和六十年冬。
今年は例年に比べて一段と寒さを増していて、制服でしか防寒出来ない学生としては、なかなか厳しい季節になっていた。
空からは雪がちらほらと降っているが、周りの景色は白一色とまでは言えないような、はっきり言って微妙な積もり方だった。
「せっかく降ってくれるなら、もっと豪快に降って欲しいもんだな…」
それでも、歩いている道には雪の上に足跡が残り、冬らしさを演出しているようだった。
純白の雪が空から絶え間なく降り続けている様子を眺めながら、学校への道を歩く。
周りを見渡せば、同じ制服を着た学生が点々と路地に見える。
ここは周囲に田んぼや畑が多く、見渡しが効くので、学校までの道の途中で友人と遭遇することも、少なくない。
少なくとも、俺はそういう経験が多い為、そういう風に判断してる。
ただ、このあたりには若い人も少なく、学校に通う子供自体、少なくなっているのだから、それで会う確率もプラスマイナスゼロだろう。
そんなことを考えながら歩いていると、ふと後ろから声を掛けられた。
「おーい、光、あーきーらー」
「そんなに叫ばなくても聞こえてるよ」
白い息を吐きながら近寄ってきたのは、クラスメイトの門脇司。俺が隔てなく接することの出来る、数少ないやつだ。
肩で息をして呼吸を整えてから、司は話し始める。
「いやいや、お前を見かけたら声掛けないと、そっちから声掛けること少ないだろ」
「……ああ、そうなのか」
「それにお前、物思いに耽ってる時多いからな。俺もなかなか気づいてもらえない時があるぜ」
「あー、それは悪かったな」
確かに、集中すると周りの情報が頭に入ってこない事も多い。それで周りから変に思われたりもするが。
「まったく、この間なんて三十分くらい声掛け続けたんだぜ」
「それは嘘だろ」
「ほんとほんと、結局お前が気づいた瞬間目が覚めたんだけどな」
「夢の話かよ……」
それを俺が聞いてどうしろって言うんだ……。
「いやー、あれはなかなかリアルな夢だったよ」
なんて二人で並んで話しながら雪に足跡をつけていく。
シャリシャリと、互いに少しずつずれたテンポで、けれどリズムは一定のまま、歩く。
「ただ、お前がなかなか気づかないのは、夢の中だけじゃないけどな。まぁ、別に悪いと言ってるわけじゃないけど」
「まぁ、慣れてくれ。肩でも叩けば気づきはするから」
「ん」
そう返事をして前に向き直る。
「というか、今日はほんと寒いな」
視線を前方に残したまま、司は言う。
「確かにな。昨日よりさらに寒くなってる気はするよ」
少なくとも、数値にしてみればよりは寒くなっているはずだ。
夜の寒さがそのまま明け方まで取り残されているような、そんな寒さがあたりには漂っている。
吐く息は白く、呼吸をするたびに、顔の周りを白い息が横切っていく。
「明日あたりにはしっかり積もってくれるといいな」
「この分だと、今日の夕方には積もるんじゃないか」
雪は絶えず降り続けていて、世界を白い斑模様で埋め尽くしたままだ。
「ま、雪が積もったって授業を中断して雪遊び、は小学校位までだけどな」
「そうなんだよなー。なんでかなー」
「中学生だからさ」
「中学生ってなんだろな」
「学生だろ」
「まーなー」
なんて他愛のない会話をしながら学校へ向かう。
普段よく目にするような、なんの変哲もない光景だ。
雪が滅多に降らない国や地域の想像の中では、雪が降っているイメージは掴みにくくて、雪が降っていないかもしれないけれど。
まぁ、その程度の、いわゆる普通の登校風景だ。


◇  ◇  ◇


学校へ着くやいなや、司は教室に駆け込んでストーブに密着した。
「うあー、さみーっ」
手袋を机に放り投げて、両手を摩りながら叫ぶ。
教室にはすでに数人生徒がいて、軽く声を掛けながら自分の席に座る。
「おーい、光。お前寒くないのかー」
「いやー、別に」
そこまではしゃいで温まるほど、心は冷え切っちゃいないぜ、とかなんとか。
とにかく俺は荷物を鞄から取り出して、机の中に詰め込んでいく。
大抵の荷物は教室の後ろの担当棚に入っているので、基本的に鞄はあまり重くはならない。
教室では、生徒同士が固まって話したり、本を読んだり、勉強したり。
いたって、平和だ。
「おーい」
声に反応して振り向く。
「へいっ!」
「…………何がしたいんだ」
「え、あったかいだろ?」
司はいきなり両手を俺の両頬に押し付けてきた。
はさみこむように。
「いや、そりゃあったかいけどさ。なんなんだ」
「あまりの俺たちのあつあつっぷりに、周りの皆もあったかくなるかなーって」
「あつあつなのか?」
「あつあつだぜ」
「それはない。ていうか嫌だ」
全力を持って拒否した。
「えー、なんでだよー。あつあつだぜー」
「わけわかんねーよ」
どうして男同士であつあつにならないといけないんだよ、とか言ってみるけれど、正直なところ俺は恋愛ってのがさっぱり分からない。
この場合、恋愛でもなんでもないんだけれど、正直、分からん。
分からんものを享受したくはない。
司はもう飽きたのか、またストーブの傍で温まっている。
いや、あれは飽きたんじゃなくて、次の目標を狙っているのかもしれない……。
時計は既に八時を指そうとしている。
ぞろぞろと教室には生徒が集まりだして、それぞれが声を掛け合って挨拶を交わしている。
「おはよう」
「おっす」
「寒いねー」
「おっはよー」
「おはよー」
学校らしいと言えば、学校らしい風景だ。
もちろん、それには俺も混じって見えるのだろうけれど、少なくとも、心まで混じっていない。
少なくとも俺は。
がやがやと、教室が喧騒に包み込まれていく中、そういう風に考えているのは、多分俺くらいなんだろうな。
楽観でも、悲観でも、達観でもなく、そう思う。
中学生なら、中学生らしく、中学生をすべきだと、俺は思っているのだが、どうもそれは、俺には当てはまらないらしい。
「なんだかなぁ……」
そう呟いて、朝の時間は更けていく。


◇  ◇  ◇


「司。今日も部活か」
「おう、冬選抜が近いからさ」
放課後の教室。
既に担任は教室にはおらず、生徒も部活がある者は部活へ、そうでない者はそれぞれ、帰路に着く支度をしていた。
「大変だな。先輩もう引退してるから、お前らが主力なんだろ」
「まーなー。ただ、主力だとかそんなに気負うようなもんでもないけど」
三年生は、夏の公式戦を最後に引退となる。
それは受験に向けての準備期間だったりするし、そうでなくても、例年通りのしきたりのようなものだ。
そうでなくても、そうする。というひとつの事例。
日本は、特にそれが多い。
「まだ、雪降ってるから、中練になると思うけどな」
窓から外を覗くと、グラウンドは雪に埋まっていて、運動できるような状態ではない。
「ふーん。じゃ、頑張れよ」
「おう」
そう言って、司は部活へと向かった。
教室には人が数人残っていたが、特に親しい者がいるというわけでもなかったので、俺も帰る支度をして、教室を出た。
夕日が校舎内を赤く照らし出して、窓枠の陰が縦横無尽に交差している。
まぶしいくらいに差し込んでくる夕日は、綺麗だとかそういうものを感じさせずに、俺の目の中に飛び込んでくる。
「それにしても、また冷えたな」
朝に比べて、さらに寒くなっている気がした。
雪が降り続いているあたり、当然の結果と言えば、当然の結果かもしれない。
……いや、当然と言えば当然なのかもしれない、か。
寒くなって雪が降っている所までが結果だ。
なんて事を考えながら歩いていると、ふと、上の方から音が聞こえた。
「…………?」
それは単なる音でなくて、楽器の音色だった。
音の色。
「楽器……か?」
その音は、夕日に負けない程の色彩を持って、俺の耳に、目に、体に飛び込んできた。
高貴だとか、高尚だとか、綺麗だとか、美麗だとか、そういうものじゃなくて、一人の人間に、一つの音として、そうあるべきとでもいう風にして、その音色は俺の中に何の遠慮も躊躇もなく、飛び込んできた。
特に用事がないからとか、そういう理由じゃなく、自然と足がその音の方へ歩きだした。
階段を上がり、踊り場を曲がっている時にも、その音は絶えず流れている。
どの階から流れているのかは、すぐに分かった。
だってその階は、一段とその色彩に染まっていたから。
夕日の赤みとは別の次元での色彩。
その二つが重なって、その階には存在していた。
赤。
光。
音。
色。
俺は、ゆっくりと歩を進める。
扉の開いている一つの教室から、それは流れ出ていた。
俺は恐る恐るその教室を覗き込んだ。

景色が、風景が、光景が。
見た事もないはずそれが、そこには広がっていた。

クラリネットを吹きながら佇んでいる女子。
確かにそれは、どこにでもあるような放課後の一部なのかもしれない。
けれど、その雰囲気に呑まれていた俺には、それが日常の切り取りには到底思えなかった。
夕日の逆光の中、彼女はクラリネットを吹き続けている。
そこに在るのが当然であるべき態度で。
俺は、どれだけの時間見入っていたのだろう。
一分、十分、一時間。
長いのか、短いのか。それとも、そうですらないのか。
けれど、おそらく、この状況においてその時間は、俺の中ではさして問題にはならなかった。
今、この場所で、俺の目に入ってきている光景は、少なからず、そういう物理的な観念を取り払うくらいの、力があったから。
そうこうしていると、彼女の演奏は終わった。
そして、こちらに気がついた。
「あなた……誰」
「あ、いや、ごめん。勝手に聞いてて……。その、なんて言えばいいのかな……」
突然の人間味のある対応に、しどろもどろになりながら答える。
「歩いてたら音が聞こえたから、こっちにきちゃったんだけど……」
「ううん、別に悪いって言ってる訳じゃないの。突然だから少し驚いただけ」
「そ、そうだよね。ごめん」
「だから、悪いって言ってるんじゃないって」
彼女は申し訳なさそうにそう言っているが、少なくとも勝手に覗いていた事だけは確かなのだ。
「勝手に覗いてたのは、悪かったからさ。それはいちよう謝っとく」
「そう……」
彼女は別に気にしていないようだったが、いちようというものがある。
「いつもここで演奏してるの?」
「大体そうね。で、なんであなたはここにいるの?」
「……え?」
その返答はさっきしたはずだと思って、そんな声が出てしまった。
「だから、なんでここにあなたは来てるの?」
「いや、だから音が聞こえたからちょっと覗きに来ただけなんだけど……」
「そうじゃない。それは結果でしょ、私は理由を聞いてるの」
なんか変な人だ、と素直に思った。
「んー、そうだなー。確かに、俺もその理由を話せと言われると、返答に困るかもしれないな」
だから、俺も素直に返答する。
「どうして?あなたがここにいることに、あなたの意思は反映されてないの?」
「自分でもよく分からないんだ。音に惹かれて足を運ぶだなんて、俺の経験上今までにない事だったから」
窓から零れる夕焼けは、二人の影を長く引き伸ばし、教室の壁に、もう一対の二人が存在しているようだった。
「ふーん。……その音って、私の出してた音って事?」
「……そうだけど」
むしろそれ以外にあるのだろうか……。
とことん変な人だ、と更に認識する。
「…………」
「どうか……した?」
「……いや、なんで自分自身分からないものに、自分自身が動かされないといけないのかなって」
そう言って、彼女は机の上に座り、楽器は地面に立てて置いた。
「ふーん、それってそうやって置くんだ」
「…………」
俯いて何か考えながら呟いている。
どうにも会話が綺麗に噛み合わないようだ。
「あなた、そういうのって不思議に思ったことないの?」
「これの置き方?」
「違う」
一蹴された。
そりゃ、そうだけど。
「今のあなたみたいに、自分で分かってないのに、自分が勝手に何か思ったり、考えたり、動いたりする事に対して、不思議に思ったことはないの?」
彼女はその黒い瞳をまっすぐこちらに向けたまま、そう尋ねる。
「……そうだな。確かにそういう事に対して、不思議だとか、変だとか思う事はあるよ。それに、それをそのままにしておくのも、気持ちが悪い」
俺も手頃な机に腰を下ろして、もちろん、ちゃんと椅子に座って、返答する。
「でしょ?そういう事を放っておくのは、愚者の証拠よ。そうでなくても、あなたは自分自身の事なんだから、きちんと意味を理解しないと」
愚者というのは、いささか言いすぎだとは思ったが、言っている事は俺の普段思っている事だ。
「そうだな、まあその意見に関しては同じ思いだ。さっきも言ったが、そのままにしておくのは気持ちが悪い」
「そうよね。うんうん、あなたなかなかいい人じゃない」
「そうですか、どうも」
なにやら誉められた。
深く考えることに対して、こういう風に賞賛される事はほとんどなかった。大体の人が、変に思うか、悪ければ気味悪がっていたから。
しかし、変な話だ。
初対面の男女が、会うなりこんな話を始めてるんだから。
そもそも、と彼女は続ける。
「目に見えない事が私たちに何らかの影響を与えてるって事自体、私は信じてないのよ。大体、今私達が認識できてないだけで、実際には説明のつくような事象だったっていう例が今までにもいくつもあるわ。そうでしょう?」
ほんとうに……変な話だ。
なんの前触れもなければ躊躇もないし、なんの伏線もなければ前兆もない。
それなのに突然、こんな話を初対面の人に話し始めるだなんて…………。
変じゃないわけがない。
もちろん、
「確かにね。昔超常現象と言われていたものが、現代の科学力で解明されることは珍しくもないし」
なんて返答している自分自身も含めてだ。
「だから私はその訳の分からないものを、訳の分からないままにしておくのは、嫌いなの」
「だから俺のさっきの行動が気に食わないと?」
「あなたの行動じゃなくて、あなたがその行動をなぜ行ったか理由をはっきりさせない事が気に食わないだけよ」
当たり前じゃない、とでもいうように彼女は言い放つ。
「そうですか……」
肩を落として答える。
面と向かって気に食わないと言われると、やはりショックではあった。
しかも初対面。
「というか、君誰?名前は?多分初対面だよね?」
「いっぺんに質問しないで。私は聖徳太子でもなければ小野妹子でもないんだから」
小野妹子は何が関係してるんだろうか、だなんて疑問は横にどけて返答する。
「そ…だよね。じゃ、名前は?」
「まず自分が名乗るべきよ」
「ですよね」
出鼻を思いっきり挫かれてる気がする……。
「俺は東条光。東に条例の条でとうじょう。名前は光って書いてあきら」
「私は相楽光。相談の相に、楽でさわら。名前は普通に光よ」
「って事は、名前は書き方が一緒か」
「あなたの名前が比較的珍しいでしょうけどね」
「ですよね」
ああ、なんか本当に会話し辛い。
いや、会話はすごくしやすいんだ。内容もかみ合うし、何より思考が似ているから弊害が少ない。
だけど……如何せん、なんか少しずれてる気がするこの子。
「それに名前なんて所詮形無き物でしかないのよ。それも形を無くして生まれたから、形を取り戻す事もないでしょう」
「形無き物……ねぇ………」
「違う?」
「いや、不満も不当も不評もないです」
なぜか敬語になってしまう……。
彼女はやはり、独特の空気を身に纏っている。
別に敬語になってしまった事に限ったことではないが、なんとなく。なんとなくだが、そんな気がする。
「ま、名前なんてそんなもんよ。深く考えるものでもないわ。答えがもともと形として無いんだから」
「そんなもんなのかね」
「そんなもんなのよ」
毅然とした態度でそう答え、続ける。
「それにしてもあなた変な人よね」
「なっ!」
お前がそれを言うか。
「な……?」
「俺、そんなに変?」
多分比較対象を自分以外にしてるんだろう。
「うん。私と初対面のくせにこんなに会話してるんだから、よほど変よ」
「…………は?」
待て待て、確かに初対面でこんなに長々と話すことなんてあんまり無いかもしれないけど、自分と話してると変ってどういう解釈だ。
「えーっと……それは一体どういう事?」
「そのままの意味だけど」
そりゃ分かってる。言ってる意味は分かってる。
重要なのは、
「言ってる意図が分からない」
という事。
「そんなに説明が欲しいの?」
「というか、このまま理由が分からないんじゃ、それこそ君の方が変だ」
きっぱりと断言する。
「そうね……。なんて説明しようかしら」
むむむ、と手を顎にあてて唸る。
「私と一緒にいると、皆が皆、私と一緒にいられない……とでも言おうかしら」
「…………もっと分かりやすく説明してくれない?」
判りにくい事この上ない。
私と一緒にいると、私と一緒にいられない?
矛盾どころの話じゃないじゃないか……。
「そーねー…………。私と関係を持とうとする人はみんな、そうする前よりも、そうしなかった方が、そうであった。という事かしら」
「…………」
「あら、もっと難しくて分からなかった?」
「いや……言わんとしている事は分かったんだけど、それを俺に……認めろと?」
関係を持てば持つほど、持たないほうが関係を持てるなんて、訳の分からない存在を、認めろって言ってるのか、この子は。
「そうよ、今あなたの前にいる人間は、そういう人間なのよ。まあ、あなたが認めようが認めまいが、回りの人間が認めようが認めまいが、世界が認めようが認めまいが、結果として、私という人間がここに存在し続けているという事実には、なんの変わりもないのだけれどね」
彼女はそう言って踵を返し、その長い髪の毛を左右に乱れさせながら、教室を出て行く。
「それじゃあね。君なかなか面白い人だったわ。ただ、私と今日関係を持ったのだから、もうきっと話すことはもとより、逢う事も滅多にないでしょうけど」
扉をくぐる時にそう言い放ち、そのまま夕日の照らす廊下へと、消えていった。
「…………はぁ」
変な人に会ってしまった。
おそらく、俺の人生の中で、ここまでの奇人は登場してなかったんじゃないだろうか。
軽く思考を巡らせてみても、やはりそんな人間は記憶の片隅にも居ない。
それほど、彼女は異様で異形な存在だったのだ。
…………だったはずなのだが。
「どうも……ね。他人のような気がしない訳はないんだけど。実際他人だし」
けれど。
心の底から人間と関係を結ぼうとしていない。
深い関わりを持とうとしていない。
非常に淡白で冷静。それでいて饒舌な彼女。
その性格が、その性質が、その構造が、その根底が、俺を鏡に映したようで、それも、それを表立って確立している彼女。
そしてなにより、その思考に俺は惹かれていたのかもしれない。
まあ、俺自身が、その感情に、その思考に気づくのは、まだずっと先の話なのだけれど。

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